2008年08月01日

安倍七騎の夏休み――其の壱――(vol.59)

7月9日(水)の夜10時半、場所は葵区にある伊太利亭――。
「では、27日の日曜日に集合!!」ということで一同解散となりました。

そして、27日の早朝に集合した面々は、各車に分乗し、御幸町通りを北西へと進みました。御幸町通りは安倍町を過ぎたあたりで、安倍街道とその名を変えます。

安倍街道は、安倍川本流筋にある俵沢を過ぎると、玉川筋の桂山を抜けて、さらに落合(――西河内川と中河内川が“落ち合う”ところ――)で、中河内川筋へと導きます。このまま、森腰、長熊を通過し、目指す上落合(――仙俣川と中河内川が“落ち合う”ところで、下流に「落合」にあるから「上落合」――)へ。


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 みんな、“安倍七騎の夏休み”を満喫しようと集まりました。


「さあ、着いたよ!」と、私は後続車両に向かってハザードランプを点滅。左手には、清らかな中河内川が流れています。

7月9日の“会議”では、魚釣りもこの日の予定に組み込まれていました。みな、ここぞと思しきポイントで糸を垂れます。対岸の沢水が流れ込む淵のあたり、ポタポタと岩清水が水面を叩くところ、大物が居そうな水底に沈んだ大石の付近などなど――。





 本日のポイント。さて、お魚いるかなぁ……。


蝉しぐれに鶯の鳴き声、そして、それらに涼やかな清流の川音が和しています。釣れても釣れなくても、大自然に抱かれつつ、ぷかぷかふわふわと流れる浮子(うき)を眺めるだけで満足します。



 みんな、子供に返っちゃって……。



 だれ? 川でジーパンを濡らしたの



 安倍奥の小宇宙は、いい笑顔にさせてくれます。



 「暑いなぁ、もう行くかァ」
 「いや、もうちょっと……」



 「あのう、次予定があるんですけど……」
 「……、」


午前10時、じりじりと照りつける太陽が気になりだしたので納竿。釣果は、朱斑点とパーマーク(小判型の青緑の模様)が鮮やかな天子(あまご)が2匹と、愛嬌いっぱいの鯊(はぜ)2匹。いずれも可愛い赤ちゃん魚で、「またね!」とリリース。「魚取り」ならぬ、「魚撮り」(釣った魚をカメラにおさめる)はこれにて終了。



 見づらいですが、本日の釣果。
 天子の綺麗な朱斑点、パーマークをご覧になりたい方は、平野雅彦先生のブログ(http://www.hirano-masahiko.com/のうち、「脳内探訪」)の「安倍七騎をゆく」をご覧ください。



 七人の侍勢ぞろい!!


さて、七人には、次のスケジュールが待っています。そもそも、7月9日の“会議”はというと、

 安倍奥のスローな暮らしを体験したい――
 安倍川流域の地域興しに、安倍七騎が役立てることはできないか――


などといったことから始まったことで、「まずは、現地へ行ってみよう!」ということでした。

安倍街道をさらに5分ほど走ると、上落合の集落にはいります。そこには、拙著『安倍七騎』で取り上げた悲劇の英雄大石五郎右衛門のお墓と、五郎右衛門屋敷跡(今はサラ地)、それから、五郎右衛門最期の地「立ン場」 (矢を受けて、立ったまま死んだことから――)があります。

車をおりて小道を進むと、道端に色鮮やかに染め上がった梅干が夏の陽ざしを浴びて匂い立っています。その傍らには、すくっと紫蘇の葉がのびている。「これで、染めるんだね」「赤105号(着色料)は使う必要ないもんな」なんて会話をしながら、みなシャッターをきります。たぶん、山で暮らす人から見れば、「梅干なんか撮ってどうすんの?」なんて思うに違いありません。日常の、ごく当たり前のことでしょうから。こんな些細なことからも、我々との暮らしの違いを実感しました。

 

 真っ赤に染まった梅干。もちろん、癌を誘発させる「赤105号」なんて無縁です。
 ほら、画面下には紫蘇の葉が――。



 かつて、上落合の名主家だった長島家の蔵。その先に緑濃き山と夏の雲


さて、大石五郎右衛門のお墓へ。大石五郎右衛門事件があってから、四百有余年が経っています。けど、未だにこの集落の人は、このお墓を守っています。その昔、村人が五郎右衛門のことを、丁重に「ご先祖さん」と呼んでいたことがお墓の佇まいなどからも覗えました。

 

 墓前に『安倍七騎』を立てかけてみる。
 この日のお供えは、「将軍」という名のお酒。将軍は、武士の頂点に立つということでこの銘柄にしま した。
 

 安倍七騎の夏休みは、まだまだ続きます。



  


Posted by 安倍七騎 at 16:32Comments(2)徒然