2008年03月28日

「FM-Hi !」での収録のこと(vol.31)

本日、『安倍七騎』出版以降お世話になっているラジオ局、シティーFM静岡「FM-Hi !」(76.9MHz)へ行ってきました。

こちらへは、これで4回目の出演となります(相川香さんがナビゲーターの「cha!cha!サタデー」に2回。そして、今回出演の、TJさんがナビゲーターである「ひるラジ! 静岡情報館」に2回)。
 
前回の出演は夏の暑いときであったため、葵区八幡に住んでいる義叔父( ―― この義叔父は、私に安倍七騎の話をはじめて聞かせてくれた人 ―― )が、逢魔ヶ刻(おうまがどき・黄昏のころ)に安倍川で鮎釣りをしていて遭遇した“化け猫”のはなし ―― 子供のころ、暗くなるまで魚釣りをして家族を心配させた私を怖がらせるための作り話だったか!? ただ、作り話としても、結構怖くて面白い!!―― などをしましたが、今回は「安倍七騎」や、「安倍川流域の伝説」それから、来月6日(日)に行われる「“安倍七騎とその風景”探訪ツアー」のお知らせなどをさせてもらいました。

以下、オンエアーされる「安倍川流域の伝説」についての予告編です。

 ・中世からの伝説を信じ、安倍奥では未だに正月用のお餅をつかない集落が二つある。
  それってどこなの? それはどうして?

 ・杉材の履物をはかない集落がある。それはどこ? それはどんな理由で?

 ・馬にまつわる地名の多い藁科川。どんな地名があるの? それはなぜ?

                                                 Etc …… 。

収録の途中、「“安倍七騎とその風景”探訪ツアー」を主催する駿府静岡歴史楽会の高島さんも電話で出演され、お話は18分ほどにまとまりました。

これは、4月4日(金)の「ひるラジ! 静岡情報館」の「人にぞっこん」のコーナー(13時13分から)で放送されます。

みなさん、ぜひ聴いてくださいネ!!


4回目で、少しだけ慣れてきたのかな……
  


Posted by 安倍七騎 at 23:32Comments(0)徒然

2008年03月23日

期待のボクサーふたり(vol.30)

3月10日の静岡新聞(朝刊)の「インタビュー」という欄に、昨年、プロボクシング全日本フェザー級新人王になった関本純太選手(東京・勝又ジム、静岡市葵区出身)の記事が載っていました。彼とはじめて会ったのは静岡市浅間通りの松永スポーツで、プロデビューする前のことでした。

彼のインタビューのなかに、梶山友揮選手(平石ジム・一昨年の中日本新人王)のことについて触れていました。梶山選手とは竹馬の友で、彼の影響を受けてボクシングをはじめたそうです。かつて、このふたりのスパーリングを見たことがありますが、お金をとってもおかしくないほどの魂の篭もったものでした。

よくボクシングの試合を闘牛に例えられます。この場合、梶山選手が突進する猛牛、これを裁くマタドールが左構えの関本選手――。向き合うふたりからは、互いが放つオーラを感じ、それが触れ合うたびに激しいパンチの応酬が繰り広げられました。

去る1月29日に行われた、藁科歴史講座「郷土藁科が育てたもの ――小説『安倍七騎』を書き終えて――」には、梶山選手と松永スポーツの松永ご夫妻が来てくれました。久しぶりに会った梶山選手はより精悍な面構えで、安倍七騎に列した男もこのような面構えではなかったか――、と思いました。

この日、彼と林孝亮選手(緑ジム・日本バンタム級12位)が戦った試合のDVDをプレゼントしてくれました。早速このDVDを見ましたが、梶山選手は1Rから最終10Rまでラッシュで突き進み、持ち前のスタミナとハートの強さを見せ付けた試合でした。解説者の元世界チャンピオン飯田覚士さんからは、「こんな試合は見たことない」というコメントもつきました。

来月10日、梶山選手は、東京後楽園ホールで、雄二ゴメス選手(石川ジム・第48代日本フェザー級チャンピオン)と対戦します。あんな試合を見せ付けられたら、対戦相手もこれくらいのレベルの選手でないといないのかもしれません。元日本チャンピオンで、しかもバネのある黒人選手という強敵ですが、あの相手を休ませないボクシングスタイルでの健闘と必勝を祈念します。

梶山選手の日本ランキング入りは目前です。梶山選手と関本選手そろってのランキング入り――。これは彼らにとってひとつの通過点にすぎません。ふたりは、これからも艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越え、そして、ともに刺激しあって進化しつづけていくことでしょう。近い将来、「静岡には、世界チャンピオンがふたりいる」と言える日がくるのかもしれません。




 常に気迫を込めて練習にのぞむ梶山友揮選手。
 彼を見ていると、ボクシングは“拳闘道”であると思えてくる。
 これは、「剣禅一致」或いは、「剣禅一如」というものにも通じることだと思う。


  


Posted by 安倍七騎 at 01:04Comments(0)随想

2008年03月17日

久能山界隈逍遥(vol.29)

3月2日(日)、この日は穏かな日和でした。この日は特段これといった用事がありませんでした。
そこで、私の「さて、今日はどこへ行くか?」というときのための“場所のストック”を覗くと、そのなかに「久能のいちご狩り」がありましたので――、行ってみることにしました。いちご狩りは小学校のとき以来なので、かれこれ30年ほど行っていません。それで、どうせ行くなら、どこかとセットでということで、東照宮にも行こうということになりました(この日のスタートが早ければ、温泉施設も備えた「いちご狩り」と「駿府夢ひろば」という手もありましたが、“ゆっくり出”でしたので、これに決定!)。

で――、いちご狩りは、横山園という、割と東照宮への登り口に近いところにしました。この農園では「章姫」という品種と、「紅ほっぺ」という品種のいちごの採取が可能です。全体的には、この界隈のいちご農園では「章姫」が多いようです。この日は「紅ほっぺ」という可愛らしい名前の方に舌鼓をならすことにしました。小学生のころに来たときは、「時間内にどれだけ食べられるか!?」というアホな挑戦をしたなぁと思いつつ、制限時間の30分間をゆっくりと堪能しました。このいちご狩りは5月までできるようで、さすが静岡の観光名所だということを再認識しました。



品種は、かわいい名前の「べにほっぺ」です。




さて、つぎに久能山東照宮――。
ここへは、小学校4年生のときの社会見学以来でしたが、このときはロープウェイを利用したので、駿河湾側からてくてくと石段(1159段。「イチ・イチ・ゴ・ク・ロー」で覚えた)を登っていくのは、幼稚園の社会見学以来となりました。



                     




この久能山東照宮は、徳川家康公の廟ということで有名ですが、拙著『安倍七騎』のなかでこの場所は、久能寺城ということで登場しました(「久能城」「久能山城」とするものもある)。

中世、山上に建つ寺などは要塞的な使われ方もされたようで(静岡市葵区にあった建穂寺(たきょうじ)も)、久能山山頂へと続く石段を登っていくと、そのことがわかるような気がします。なにせ、頂に達すると、遠く伊豆西海岸までも一望でき、駿河湾を往来する船舶(敵方の北条の水軍の軍船も含む)の往来が手に取るようにわかる場所です。



永禄11年12月、甲斐の武田信玄は、駿河国主今川氏真を遠州へ駆逐すると、この地にいち早く目をつけ、山頂にあった「補陀落山 久能寺(ふだらくさん くのうじ)」を有渡郡北矢部(清水区北矢部)に移したあとに改造し城としたという歴史もあります。そして、この城は、「水軍の城」としての機能を果たしたようです(それを裏付ける地名として、この近くに「カイゾクグラ」という小字があります)。改修された社はとっても華やかでした。また、併設の博物館には歴代徳川氏の鎧や刀などが蔵され、今後の参考(―― おっ! 2作目をヤル気かッ?! ――)となりました。

  


Posted by 安倍七騎 at 10:45Comments(0)徒然

2008年03月13日

大御所四百年祭市民参画事業のこと(vol.28)

様々な趣向をこらした大御所家康公駿府城入城四百年祭(通称 大御所四百年祭)も終章間近となりました。

このイベントは、慶長12年(1607)に家康公が駿府城に入城したことにちなんで、平成19年(2007)から静岡市、同実行委員会が主催して行われています。

これは、現在の静岡市内の街づくりの基礎を築きあげた ―― 奔流する安倍川の治水や1609年に行われた町割りなど ―― 家康公の偉業を再確認するよい機会となりました。また、演劇、神輿渡御や当時の食の再現、大御所検定試験など、市民の手造り感をありありと感じ、市民参画としたところに大きな意義があったと思います。これら一連のイベントは、街、市民あげての“「温故知新」の実行”だと思いました。ですから、同時に、静岡市の発展につながるものだと私は思います。

―― 余話ですが、そういった意味でも静岡市に歴史博物館が必要だと思うのですが ――

ただ、恐れ多くも、焼津市民の私に一言いわせてもらえば、“新生静岡市”を念頭においた場合、もう少し清水区も参画できた余地があったのではないのかな――、とも思いました。例えば、三保にあった貝島御殿では、家康公が江戸から白拍子を呼んで能を演じさせたり、舟遊びをしたということがあったので、それにちなんだイベントとか――、また、清水湊に徳川の軍船を浮かべるとか ――。

私の場合、『安倍七騎』を書いた都合上、清水というと、どうしても武田氏支配のころの駿河の都のイメージが強いからこんなことも思ったのかもしれません(私は、この事業について全部は把握していないので、もしこのようなことが行われていたならば、お詫びいたします)。

振り返るのはまだ早い!! まだ四百年祭はまだ終わっていません。
こんな企画があります。

それは、駿府静岡歴史楽会(会長 影山満氏)、静岡新聞社(松井純社長)が、同祭市民参画事業として、徳川十八代宗家徳川恒孝氏の講演会(タイトル「江戸は世界有数の国際都市 ―― そのルーツは駿府? ――」)が行われます。詳細は下記のとおりですが、このほか静岡市出身の講談師田辺駿之介さんの講談(タイトル「大御所 徳川家康」)や、「しずおか検定」一級合格者への記念品授与、それから、紙上書展の表彰などが行われます。
徳川宗家の講演です。だれもが「御目見え以上」になれるまたとない機会となるでしょう。



日時  平成20年3月23日(日)13:00会場、13:30開始
場所  静岡市民文化会館中ホール
参加費  500円(全席自由、小学生無料)
チケット販売所  TUTAYAすみや静岡本店1階プレイガイド(℡054-251-1233)、当日券販売あり
お問合せ 駿府静岡歴史楽会 影山会長まで(054-273-6353)  


Posted by 安倍七騎 at 06:19Comments(0)催事

2008年03月10日

宮地恭代さんの日本画展に行ってきました(vol.27)

3月8日(土)、標記の個展へ行ってきました。場所は静岡市葵区にある亀山画廊で、毎年ここで個展が開かれております。

宮地さんの画には、割とお花が多いようです。前回のテーマは「椿」でしたが、今回は「蓮」の画がその多くを占めました。葉や花びらの一枚一枚が丁寧に観察し描かれており、花のそばを飛ぶ蜂からは、羽音が聞こえてきそうです。

今回で個展は5回目を迎えますが、溢れる感性の赴くままに描かれた画にはいつも楽しませてもらい、かつ敬服します。

是非一度、行かれてみてはいかがでしょうか。

宮地恭代プロフィール
東京芸術大学卒
SBS学苑パルシェ校「はじめての日本画」講師

第5回宮地恭代日本画展
2008年3月8日(土)~18日(火) AM11:00~PM7:00(最終日PM4:00終了)
休廊日 12日(水)
亀山画廊(静岡市葵区鷹匠2丁目4-40 サン・サウス静岡1階 ― 駐車場あり ―
 / 電話&ファックス 054-252-5040  


Posted by 安倍七騎 at 05:50Comments(0)徒然

2008年03月08日

「とびっきり! しずおか」の八波一起さんと(vol.26)


しずおか朝日テレビ夕方情報ワイド「とびっきり! しずおか」の企画で、タレントの八波一起(はっぱ・いっき コメディアンの八波むと志さんが父)さんがお酒をつくるというものがあります。これは、田植え(酒米作り)から酒造まで八波さんが手掛けるという、地産地消をテーマにした企画で、八波さんにちなんで、一升壜で88本つくったそうです。



3月5日(水)の夕方、八波さんがこのお酒をもって、地産地消のお店伊太利亭(当ホームページ・リンク集参照)にやって来るという情報を仕入れた私は、7時前に伊太利亭に出向きました。すると、顔なじみの常連さんが何人かいて、同じく八波さんがみえるのを待っていました。



八波さんというと、私が神奈川に下宿していたころ(大学が神奈川だった)、朝の情報番組によく出演されていました。かれこれ20年ほど前の話です。ですから、八波さんというと、「フレッシュで、はつらつとした人」という印象があります。ちょっと、なつかしい学友に会うといった感覚もありました。もっとも、八波さんの方が年上ですが――。



7時過ぎ、背筋をピンとのばし、ジャケット姿で颯爽と、八波さんが来店されました。お店に入ってきた八波さんは、はつらつとした昔のままでした。その手には、「とびっきり 誉富士」というラベルの一升壜。なんでもこのラベルの字も八波さんが書いたそうです。



「みなさん、どうぞ!」と振舞われたお酒を口にすると、大変すっきりした飲み口で、ワインのような感覚でした。このおいしさに、「どこで手にはいりますが?」と訊くと、「もう売り切れてしまいました」とのことで、これにはちょっと残念でした。みんなで“おかわり”をしていると、あれよあれよと一升壜半分以上も空けてしまい、「これから、次のお店もあるんで(もうこのへんで勘弁してください)」と言われてしまいました。



収録も無事に終わり、撮影陣が引き揚げるころ、「この人は、地産地消の小説を書きました」と、仲間が八波さんに私を紹介してくれました。そういえば、このお店では、「地元の、地元民による、地元民のための小説 安倍七騎」と書かれた手作り広告をつくってくれ、拙著の宣伝をしてくれました。「おい、リンカーンみてぇだなぁ」と、これを眺めながら笑ったものでした。



この番組は、3月24日(月)の同番組、「八波におまかせ!」のコーナーで放送される予定です。みなさん、是非ご覧ください!!


* 写真をクリックすると画像が大きくなります。


  imgp3135.JPG  マスターの圷さん(右)と八波さん



  imgp3133.JPG 圷さん、八波さん、そして、ご参集のみなさん


  imgp3134.JPG  おやっ、なんですかなぁこのパネルは……。



私(右)のシャツの色と顔の色が同じなので、以来このシャツのことを


“肌色のシャツ”と呼んでます。


この“肌色の○○(ジャケット、コートなど)”は、


その日の酒量によって異なります。



  


Posted by 安倍七騎 at 00:09Comments(4)徒然

2008年03月04日

県立中央図書館の講演会のこと(vol.25)


31日(土)、標記の講演会に行ってきました。この講演会は、午前中と午後の2回に分けて行われました。





午前中は、静岡県読書推進運動協議会特別講演会として、『落語は想像力で楽しめる ―― 落語の未来は読書にかかっている ――』と題した立川志の吉さん226日に若手落語家グランドチャンピオンに。NHK『ためしてガッテン』の司会者、立川志の輔さんの一番弟子)の話でした。



タイトルから想像するような講演会というよりも、落語を2つ演じたものといった感がありましたが、落語の枕部分(本題に入る前のお話)に、「ああ、なるほどなぁ」頷くことがありました。志の吉さんは、全国の小学校に呼ばれて、独演会をするそうですが、学校で本の読み聞かせをやっている小学校とそうでない小学校は、高座に座って5分でわかるそうです。児童の反応が明らかに違うとのことでした。言い換えれば、「想像力が育っている子供かどうか」ということで、前者の方は、志の吉さんの話をじっと聞き、頭の中でおのおの情景をうかべて物語が展開できているのですが、後者の方は、落ち着きがなく、志の吉さんの独り言で終わってしまうそうです。



志の吉さんの言うには、「今の子供達には、想像力が育つ環境にない」ということを言われました。テレビやテレビゲームなど、画面が想像力を膨らます必要をなくしてしまっているというのです。志の吉さんは、小学校での独演会では、口をもぐもぐとさせてみて、「今、何をなめてる?」と、子供達に訊くそうです。「飴」「プチトマト」「たこ焼き」と、思い思いの答えが返ってくるそうですが、この想像力で楽しもうという気持ちが大事だといわれました。



読書も落語も想像力あって成り立つもので(音楽もそうでしょうが――)、想像力欠如ということは楽しみ方を失うことになると思うわけであります。



午後の講演会は、「静岡県立中央図書館貴重書講座『江戸時代の駿府を訪ねて ―― 駿府町方史料を中心に ――』」と題した、常葉学園大学織田元泰先生のお話でした。



織田先生のお話によると、慶長12年(1607)に家康公が駿府にやって来、2年後の慶長14年(1909)に駿府の町割りを行って、現在の静岡市内の町の骨格ができあがったとのことで、安倍川右岸の徳願寺あたりから描かれた『駿府鳥瞰図』(すんぷちょうかんず)には、駿府城の西側に碁盤の目のような町割りが施されています。




それから、この講演会では、大御所家康が没した元和2年(1616)の後、徳川頼宣、徳川忠長が城主として16年間在城したものの、以降「大名なき城」であったことや(城番はいた)、寛永12年(1635)の駿府城消失以降、「天守閣なき城」であったことが話され、大御所時代の隆盛を考えた場合、寂しくもあり、不思議な城であったことがわかりました。



imgp3106.JPG  講演会の様子




imgp3107.JPG 講演会の終了後、駿府の町に関する史料の見学ができました。




  


Posted by 安倍七騎 at 04:37Comments(0)随想